使える! ボイスレコーダー

鳴く虫の種類と鳴き声

ジャンル:生き物 ナビゲーター:Sib

秋、日が沈むと草原のあちらこちらで虫たちが鳴き始める。思わず声の美しさに聞き惚れてしまう人も多いだろう。私も子供の頃から虫は好きだったが、大人になって自然観察をしているうちに、虫たちの声を聞いているとなんとも心地よく、癒され、声の主が何なのか知りたくなったのが、鳴く虫に興味をもつきっかけだった。十数年前から、鳴く虫の声を録音したり、写真を撮ったりするようになった。

鳴く虫の種類と鳴き声

アオマツムシ
大きく分けてコオロギの仲間とキリギリスの仲間がいる。エンマコオロギ・カンタン・スズムシ・ツヅレサセコオロギ・マツムシなどはコオロギの仲間で、キリギリス・ウマオイ・クツワムシ・ツユムシなどはキリギリスの仲間に分類される。名前は多くの人が知っているスズムシ・マツムシ・キリギリスは、残念ながら東京近郊ではほとんど見られないが、都心や住宅地でも、秋になれば必ず虫の声を聞くことができ、郊外では20~30種類程度の鳴く虫を探し出すことができる。
ヒロバネカンタン
虫の種類によって声の高さ(周波数)は大体決まっている。コオロギの仲間は低めの音を出し、人間が聞いても心地よく感じる。
一方キリギリスの仲間は高めの音を出し、人によっては騒音に聞こえることもある。キリギリスの仲間の中には、ツユムシのように20kHzという非常に高い声で鳴く種類もいる。20kHzと言えば、人間が聞くことの出来る一番高い音に近い。

アナログ機材しかなかった頃は、特に高い声を出す虫の録音が難しかった。子供の頃、レコード付の鳴く虫の本を持っていたが、キリギリスの仲間の声が実際とは全く違う音で再生され、がっかりした記憶がある。今はデジタル機材で誰でも簡単に録音できるようになった。

今回の録音

場所は千葉県と東京都の境を流れる江戸川の河川敷。
自宅から近いこともあり、よく生物の観察・撮影をしているお気に入りの場所だ。
また、秋には毎年鳴く虫の観察会を開催している場所でもあるので、どこに行けばどんな虫が鳴いているか、大体見当がつく。

設置したPCMレコーダー
夜8時、録音・撮影機材一式を持って現地に到着。
レコーダーはミニ三脚に載せて、地面から20cmほどの高さで録音することにした。
外部マイクは使わず、「Olympus LS series」本体内蔵のマイクで24bit96kHzのステレオ録音。録音レベルはマニュアルで7前後に設定。LowCutはOFF。録音ボタンが赤く光るので、暗闇での録音には重宝する。

遠くの高い木の上ではアオマツムシが騒々しく鳴いている。高い木の少ない河川敷を選んだのはアオマツムシの大声で他の虫の声がかき消されてしまうためだ。

録音する時一番苦労するのが虫の声以外の音。電車や車の音が頻繁に聞こえてくる。
今回も、歌いながらジョギングする人の声、犬の声、夜なのになぜかカラスの鳴き声、救急車のサイレン、上空を飛ぶ飛行機、と、都市部は騒音にあふれている。普段はこれらの音を気にすることもないが、録音の時だけは、30秒でいいから雑音が入りませんように、と祈るしかない。

ツヅレサセコオロギ
夜中を過ぎるとさすがに人間の出す音は少なくなった。気温24度。気温が下がって、アオマツムシは鳴き止んだ。「コロコロコロリー」と絶妙の節回しで鳴くエンマコオロギ、「リーリーリーリー…」と声は単調だが秋を代表するツヅレサセコオロギ、「ルルルルルルルル…」と優しい声のカンタン、この3種が同時に鳴いている場所で録音。
クマスズムシ
この晩は、他にも「リー・リー・リー・…」というヒロバネカンタン、「リュリュリュリュリュ…」と金属的な音のクマスズムシ、「リーッ・リーッ・…」と思い出したように鳴くアオマツムシ、「チッ・チッ・チッ…」と高い声のセスジツユムシ、「スイーッ・チョン」と有名なハヤシノウマオイ、「チン・チン・チン・…」とかわいい声のカネタタキ、「ジーッ・ジーッ・ジーッ…」と地面の上で鳴くマダラスズ、「ジーーーー」という高音のクビキリギスの声が聞こえた。

2GBのSDカードが一杯になったところで録音終了。これまでは電池がなくなって仕方なく撤収、ということが多かったが、電池が長く持つのは非常にありがたい。
なお、屋外で捕まえてきて飼いながら録音する方法もある。声を楽しむだけでなく、生態もわかり、録音も楽だ。また、今回は外部マイクを使わなかったが、特定の虫の声だけを録音する時は指向性の高い外部マイクを使うとよい。

「Olympus LS series」のオススメ利用方法

虫の声は聞こえるが、何という虫かわからない、という人は多い。熱心な人は虫の声の入ったCDを買って、さて先ほど聞いた虫はどれだろう、とCDを聞いてみるが、大抵はどれがどれやらわからずじまいになってしまう。ボイスレコーダーで録音してみても、虫は非常に高い音まで出すため、忠実に録音できない。
その点、「Olympus LS series」は、内蔵マイクでも20kHzという人間の耳にはぎりぎり聞こえる程度の高音まで録音できるため、虫の声をその場で録音し、家に帰ってじっくり調べることができる。また、CDから虫の声をPCMレコーダーに取り込んでおけば、その場で虫の声を調べられるので便利だ。

Olympus LS series で収録した音データ

コオロギの合唱

再生する

尺:30sec
データ容量:約16.4MB
データ形式:WAV(24bit / 96KHz)

あまりたくさんの虫を一度に録音してしまうと、「どれが何とい う虫か分からない!」ということになってしまうため、鳴き声が綺麗で秋を代表するコオロギ3種(エンマコオロギ・ツヅレサセコオロギ・カンタン)がメインになるような場所を探して録音した。

録音レベル調整 録音レベルはマニュアル、マイク感度をHIGHにしてRECLEVELは7前後で録音。
セット位置 地面から高さ20cm程、近くの虫は1m前後、バックに聞こえる虫は数十メートル先まで。
アクセサリー 小型三脚、風防、リモコンセット RS30W

ナビゲータープロフィール

Sib

略歴
小学校低学年まで昆虫大好き少年でした。その後星の方に興味が移り、現在は望遠鏡の販売に関わっています。十数年前から再び昆虫に目覚め、地元で、鳴く虫を始めとする昆虫・野鳥・植物などを調べ、自然観察会・天体観望会で、身近な自然の楽しさ・不思議さを伝えることがライフワークとなっています。

挨拶
綺麗な虫の声を記録して覚えたい、というのがきっかけで録音を始めました。昔はテープでの録音で大変苦労しましたが、今回、「Olympus LS series」を使わせていただき、その性能と使いやすさは予想以上でした。特に気に入ったのは、高音で鳴く虫の声がしっかり記録できること、そして予備電池を用意する必要がないほど電池が持つこと、操作がしやすいこと、コンパクトで軽いこと、です。どれも、夜間、虫の声を屋外で録るのに非常に重宝します。もちろん虫以外の録音にも活用できますので、今後、自然観察の際には必ず持ち歩くことになるでしょう。

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